2009年04月25日

現代版 ローマの休日!! 有名な女優としがない書店の店主の愛! 「ノッティングヒルの恋人」

 ノッティングヒルの恋人/ポスター 



世界で一番有名なハリウッド女優と、ロンドンの平凡な本屋店主との恋を描くロマンティック・ラブストーリー。




これはあり得ないお話をあり得るように仕立て上げた、そしてラストは感動で胸が熱くなる傑作である。




ウェストロンドンにある平凡な街”ノッティングヒル”とは・・・
路上に屋台が並びいろんな商品を売っているという街だ。クレジットに乗せて歌が流れる。




  彼女、忘れられない面影
  僕の喜び、それとも悲しみ
  彼女は僕の夢を映し出す鏡
  川面に映る天使の笑顔
  でも彼女の心の奥の思いは
  誰にもわからない・・・




Anaスコット(J.ロバーツ)はハリウッドの大女優だ。 ある日、彼女はロンドンのノッティングヒルにある書店を訪問した。




店主のウィリアム(ヒュー・グラント)は突然のことに驚いた。 さらに、彼は、偶然Anaとぶつかり、買い物のジュースを彼女に撒き散らす。 慌てた彼は、衣服を乾かそうと申し出て、家にAnaを誘う。




ようやく彼女を送りだして程なく、彼女が戻ってきてウィリアムにキスして去っていく。 、夢のような時間が経過、ウィリアムは数日後にルームメートのスパイクから電話があったと聞かされる。




彼はAnaが宿泊しているホテルへ雑誌記者と偽り、彼女に会いにいく。 ウィリアムは妹の誕生日のパーティーにAnaを招待、なんと彼女は招待を受け入れるのだ。




「君がミジメだって?」
「19歳から毎日厳しいダイエット、10年間、いつも飢えてるの。失恋で傷つく度、マスコミは面白おかしく書きたてた。それに2回もの手術に耐えて、こんな顔になったの」
注目を浴びながらAnaは言う。




恋は深く静かに潜行した。その後も繰り返してデートする2人。 ところが在る夜、有名俳優の恋人が彼女の帰りを待っていて、 ボーイフレンドの存在にショックを受けるウィリアム。




そして、半年後、マスコミの熱気が冷えるまで店に置いて欲しいとAnaが突然現れた。 ところが同居人のスパイクが口を滑らせたことでマスコミが殺到。彼女は二度と会わないと言い残し、消えて行くのだった。




1年後、Anaの撮影現場を訪問したウィリアムは愛するじぶんの気持ちを伝えられない。 彼女が来店しても、心なくも冷たい態度を取ってしまう。



見かねた友人たちは一団となって、ウィリアムをホテルに行かせる。そして、 再び雑誌記者として記者会見場に飛び込み、彼女に愛を告白する。Anaもプロポーズを受け入れ、会場は結婚会見に・・・・・。




ジュリア・ロバーツが”愛に揺れる普通の女を見事に演じている。
記者会見で”愛の告白”をするウィリアムの懸命な語りを彼女が受け入れる場面には、思わず涙が溢れそうになった。そう、「ローマの休日」のアン王女の記者会見の場面とダブってしまったのだ。




これは珠玉のラブストーリーである。もしご覧になっていなければ是非とも見ていただきたいと思う。




1999年 アメリカ・カラー 監督:ロジャー・ミッチェル 出演:ジュリア・ロバーツ ヒュー・グラント ジーナ・マッキー ティム・マッキナリー
ニックネーム choko22 at 13:10| Comment(0) | TrackBack(0) | ナ〜ノ

2009年04月18日

シェーン カムバーーーック!! 少年の呼び声が山峡にコダマする「シェーン」

流れ者と少年の心のふれあい、全編温かさに満ちた名匠スティーブンスの西部劇である。正義と悪、男の友情、健気な女や子供たち、決闘。これは人間ドラマに主眼をおいた異色の“ホームドラマ版西部劇”ともいえる名画だ。





ドラマの根底に流れる「遥かなる山の呼び声」のテーマ曲、美しい山並みに向かって去って行くシェーン。その名を叫ぶ少年の姿が画面いっぱいに映し出される感動のラストシーンは映画史に残る名場面である。




1953年製作のアメリカ映画。監督は「陽のあたる場所」でアカデミー賞に輝いたジョージ・スティーブンス。出演はアラン・ラッド、ジーン・アーサー、ヴァン・ヘフリン。ヴィクター・ヤングの音楽が効果を出している。




冒頭、山を下りて来るシェーンが馬で歩く大ロングは、ワイオミング州のグランド・ティートン山脈を望む大平原、水と緑あふれる土地だ。そして主人公が川を渡って近づいてくる姿を、銃を持って鹿を狙っていたジョーイ少年(ブランドン・デ・ワイルデ)がじっと見守る。近づくシェーン。




ジョーイ、父親のところへ「誰か来るよ」と知らせに行く。木の根に斧を打ち込んでいたジョー(ヴァン・ヘフリン)が、手を休めて見る。典型的な開拓農民の家だ。来ているシェーン。





「通って良いかな」
「構わんよ」とジョー。妻マリアン(ジーン・アーサー)が開いた窓から見ている。ジョーイに近づくシェーン。
「やあ、おじさんをじっと見てたね。ものを観察するのはいいことだ。前途有望だぞ」
牛がウモウッと啼く。
「ジャージィ牛か、懐かしいな」
「これからもっと増える。(水を柄杓でシェーンに差出し)飲むか?」とジョー。
馬から下りるシェーン、柄杓を手にする。その時、ジョーイが銃の撃てつを挙げる音がする。とたん、シェーンが振り向きざま腰の拳銃に手をやる。




「敏感だな」とジョー。
「ジョーイ、銃を向けては駄目よ」とマリアン。
「向けてないよ」
「冷や汗かいた」とシェーン、バツの悪そうな顔で答える。
「ライフルを見てほしくて。撃てる? 撃てるよね」とジョーイ。
「まあな」




ジョー・スターレットがシェーンに話をする。このあたりの土地はほとんどがライカーのものでそこへ移り住んで来た開拓農民をライカーは目の敵にしている。放牧の時代は終わったとジョーはいう。これからは穀物を作っていく時代なんだと。




ジョーが雇っていた男はライカー兄弟に脅されて居なくなり、今は人手が足りない。
「素晴らしい食事でした」とマリアンに言い残してシェーンは外へ出て行く。ジョーイが後を追う。窓から外を見たジョーが言う。
「こりゃ驚いた、マリアン、見てごらん」
一人、黙々と斧を振るうシェーンの姿。





大きな木の根っこを斧で削っているシェーンとジョー。二人、顔を見合わせてにっこり笑う。日が暮れても二人は止めない。渾身の力を込めて根っこを押す。何度も何度も、そして遂に根っこを抜くことに成功する。




シェーンはジョーに雇われることになり、一人で町まで買い物に出かける。ジョーに頼まれた針金と自分の作業着、それにジョーイのソーダー水だ。




町とは云うものの、雑貨屋と酒場を兼業しているクラフトンの店と鍛冶屋など数軒が建っているだけの小さな町だ。バーにはライカー兄弟と子分たちがとぐろを巻いている。雑貨屋で買物をすませたシェーンが、ソーダー水を買いに酒場に入る。ライカーの手下クリスがちょっかいをかける。
「臭うと思ったら豚野郎が一匹居やがったな。こいつを飲みな」
と、真新しい作業着の上からコップのウイスキーをぶちまける。じっと耐えるシェーン。




開拓農民たちは団体行動することになり、買物に行くのも馬車を連ねて行く。今日はその日である。ジョーの馬車も家を出て行く。雷鳴が轟く。先行きの不安を思わせる演出だ。




馬車がクラフトンの店の前に止まり、農民たちは店に入って行く。




シェーンがバーテンの前にソーダー水の壜を置く。クリスが仲間の一人にいう。
「あれが例の新参者だ。通称ソーダー水男だ。(シェーンに向かい)聞き分けの悪い男だな、二度と来るなと云った筈だ。失せろ、豚野郎。女子供と居る方が安全だぞ」
「図に乗るな」とシェーン。
「さっさと行けよ(椅子から立ち上がってシェーンのそばへ寄り)いっぱしに酒を飲む気か?」
「(バーテンに)ウイスキーを2杯。この前の礼をしたい。俺の奢りだ」
「ここじゃ飲ませねえ」
「そうか・・・」
と、シェーン、ウイスキーを手に取るや1杯をクリスの服にかけ、もう1杯を顔にかける。と同時にパンチをお見舞いする。ジョーイの見ている方へ吹っ飛んでくるクリス。




クリスとシェーンの間で激しいパンチの応酬。クラフトンが「止めろ!」と叫んでも益々激しくなる。遂にクリスをKOするが、「やっちまえ」とライカーたちが一斉に襲い掛かる。孤軍奮闘するシェーンだが、捕まってしまいライカーの猛烈なパンチを続けさまに浴びる。




ジョーのところへ駆けつけるジョーイ、「シェーンが殺されちゃうよ!」ジョー、木切れを手に殴りこむ。ライカー一味と殴り合うシェーンとジョーの二人。椅子が壊れ、グラスが破損、酒場の中は無茶苦茶だ。「もう止めろ!これ以上やると死人が出る」とクラフトン。
「店の修理代はライカーには払わせん、俺とシェーンの二人で払うからな」とジョー。




ある日、その日は独立記念日だった。黒ずくめの服のガンマンがやって来た。ライカーに呼ばれた早撃ちウイルソン(ジャック・パランス)、二挺拳銃の殺し屋だ。




ジョーイが銃の撃ち方を教えてとシェーンにせがむ。自分も久しぶりにホルスターを腰に巻き、拳銃をつけるシェーン。ジョーイの手を取って教えてやる。「撃って見せてよ」とジョーイがせがむ。
「何を撃つ」
「あそこの白い石は?」
瞬間、抜く手も見せず、石を二度、三度と狙い撃ちするシェーン。石が踊る。目を丸くしているジョーイ。丁度、盛装して出て来たマリアンも見る。馬で帰ってきたジョーがいう。
「祝砲には気が早いんじゃねえか、シェーン」




ある日、トーリと仲間の農夫シップステッドが町へやってきた。シップステッドが鍛冶屋に用事があったからだ。トーリは酒場に向かう。遠雷が不気味に響く中、ウイルソンがトーリの行く手に立ち塞がる。ウイルソンに南軍の将軍のことをからかわれたトーリはカッとなり、腰の拳銃に手をやる。トーリを平然と撃ち殺すウイルソン。




ライカー一味がジョーの家にくる。話し会おうという申し出だ。必ず行くと返事をするジョー。伝言を伝えて帰っていくライカー一味。後から一人でくるクリス、シェーンを呼ぶ。クリスはさっきの呼び出しは罠だとシェーンに告げに来たのだ。ライカーから足を洗うというクリスにシェーンは手を差し出す。




ジョーがマリアンの前に座る。
「マリアン、お前たちのために俺は行くんだ。臆病者の汚名を着て君と暮らせと? ジョーイに何と言い訳するんだ」
「ジョー、そんなこと」
「これは考えた末の決断だ。俺は鈍い男だが、これだけは言える。万一、俺が死んでも君は大丈夫だ。俺より幸せにしてくれる人間がいる。こんなことを云う日がくるとは・・・」
顔を覆って泣いているマリアン。
「だが、今しか本音で話す機会はないからな。」
「私はそんなに薄情?」
「マリアン、君は誰よりも正直で高潔な女だ。信じてなけりゃ、今まで一緒にいない」
ジョー、立ち上がってホルスターを腰に巻く。




ガンベルトをつけたシェーンが入ってくる。
「シェーン、主人を止めて、誰も行かせないで」
「俺にまかせろ」とシェーン。
「俺の戦いだ」とジョー。
「ライカーは倒せたとしてもウイルソンは無理だ」
「必ず倒して見せる。忠告には感謝する」
「二人とも正気なの、命がかかってるのよ」
「どけ、邪魔するな」
「役不足だ」
「誰ならいい」
「俺だ」というシェーン。




ジョー、シェーンに飛び掛る。激しい殴り合い。マリアンの悲鳴、柵の中の牛や馬が暴れ出す。ジョーがシェーンを倒して馬に乗りかかるとシェーンがまた引きずり落とす。果てるともない殴り合いが続く。シェーンが拳銃を抜いて銃杷でジョーを昏倒させる。




「シェーン、銃で殴るなんて卑怯だ」とジョーイ。
シェーン、気を失っているジョーを介抱するマリアンの傍へいき、「気が付いたら歩かせてやれ。大丈夫だ、意識は戻る。誰も彼を責められないさ」と言い残して行こうとする。




「シェーン、待って。これは私たちのためなの」
「君とジョーのため、それにジョーイのためだ」
「もう二度と会えないのね」
「おわかれだ。ジョーに伝言を、許してくれと」
「必要ないわ」シェーンをじっと見詰め、「命を大切に」と手を差し出す。握手する二人。
シェーン、馬に乗って出て行く。意識を取り戻すジョー。
ジョーイ、「シェーン!」と後を追いかける。




町に向かうシェーン、追うジョーイ少年と犬。懸命に走る。やがてクラフトンの酒場が見えて来る。シェーンが酒場に入って行く。入り口近くのテーブルにコーヒー置いて坐っているウイルソン。奥に方にいるライカー。辿りついた少年と犬が出入り口から覗きこむ。カウンターの前に立つシェーン。




「話を聞きに来た」
「お前に用はない。スターレットは?」とライカー。
「俺が相手だ」
「お前と争うつもりはない。悪いが出てってくれ」
「条件は?」
「お前には何もない」
「残念だ。長生きしすぎたな、お前の時代は終わった」
「お前の時代はどうだ?」
「俺は心得てる」
「銃を置いて話をしようか」
「まだだ。お仲間に話がある」




「図に乗るな」とウイルソンが立ち上がって身構える。
「獲物はおまえじゃねえ」
「違ったか」
「残念だが、後戻りは出来んぞ」
「お前がウイルソンか」
「それがどうした」
「噂は聞いた」
「どんな噂だ?」
「(身構え)卑劣なヤンキー野郎だってな」
「抜けよ」




一瞬間があってウイルソンが抜くより早くシェーンの拳銃が火を噴く。斃れるウイルソン。ライカーも撃つ。シェーン、ライカーも倒す。見ているジョーイ、ミシッと言う音に気づき「シェーン、危ない!」と叫ぶ。二階からライカーの弟の銃が火を噴くと同時にシェーンが撃つ。二階から転落するライカーの弟。




「あいつがウイルソンだった?」とシェーンに話しかけるジョーイ。
「そうだ。噂どおりの早撃ちだった。何しにきた?」
「謝りに来たんだ、僕を許して」
「謝ることない。早く家に帰れ」
「どうしてなの、乗せてくれないの」
「いかなきゃならないんだ。それが俺の生き方なんだ。変えられない。努力したが駄目だった」
「一緒に居てよ」
「ジョーイ、人を一度殺してしまったら、元へは戻れない。殺し屋の烙印は一生付いて回る。もう戻れない。お母さんに伝えろ、何も心配ない、これで銃は消えたと」
「シェーン、血が出てる」
「大丈夫だ。早く家に帰って、強くてたくましい男になれ。ジョーイ、親孝行するんだぞ」
「約束する」と頷く。シェーン、頭を撫ぜて去っていく。
大平原の向こうに足早に遠ざかるシェーン。その背に呼びかける少年の声、「シェ〜ン!!・・・帰って来て〜!」と。少年の耳に聞こえるのはコダマだけだった。




心に染み渡る余韻。いつまでも残しておきたい名画である。



シェーンとマリアンのひそやかな愛が胸を打つ。これは西部劇に場を借りた二人の愛の物語であろうか。それを教えてくれるのが、ジョーがガンベルトを腰に巻き、マリアンに心情を吐露する名場面だ。


製作年 1953年 アメリカ・カラー 監督 ジョージ・スティーヴンス 出演 アラン・ラッド、ヴァン・ヘフリン、ジーン・アーサー
ニックネーム choko22 at 19:56| Comment(0) | TrackBack(0) | サ〜ソ

2009年04月08日

二人にとっての永遠の愛とは!! 「マディソン郡の橋」



たった4日間の恋に永遠を見いだした中年の男女の愛を描いた、大人のラヴストーリー。

ゆきずりの愛に過ぎなかった二人の愛が、生涯に一度の確かな”愛”に変わる。


アメリカ・アイオワ州マディソン郡でロケーション敢行した美しい撮影が見事
 
89年冬のアイオワ州マディソン郡。フランチェスカ・ジョンソン(メリル・ストリープ)の葬儀を出すために集まった長男のマイケル(ヴィクター・スレザック)と妹のキャロリン(アニー・コーリー)は、母の遺書に「死んだら火葬にしてほしい」とあるのに当惑する。

2人は彼らに当てた母の手紙と日記を読み始める……。

65年秋。フランチェスカは結婚15年目の主婦。夫のリチャード(ジム・ヘイニー)と2人の子供がイリノイ州の農産物品評会に出掛け、彼女は4日間、一人で家にいることになる。

開放的な気分になった彼女の前に、プロ・カメラマンのロバート・キンケイド(クリント・イーストウッド)が現れ、道を尋ねた。

彼は、珍しい屋根付きのローズマン橋の写真を撮りに来ていた。フランチェスカは彼の魅力に引かれ、その晩、夕食に誘う。彼が宿に帰った後、「明日の晩、もう一度いかが?」とメモを、明朝の撮影で彼が訪れる橋の上に残す。

翌日、2人は橋の上で落ち合った。二人は次第に打ち解け合い、家に戻ったフランチェスカは新しいドレスを着てキンケイドの前に現れた。
見つめるキンケイド。
「何なの?」
「・・・息が詰まった」
じっとみつめ合う二人。
「正直に言うとね、男なら皆、息を止めて呻く」
やがて、彼女の手をとり、ダンスを踊った。
キンケイド、唇を近づけ、
「いやならやめるよ」
「私がそう云って?」
キスを交わす二人。

二人は自然の成り行きで、ベッドを共にする。そして一晩中愛し合った2人は、次の日、郊外でピクニックを楽しむのだ。


二人の愛の炎が激しく燃え上がる

残りわずかな時間を彼らは、共に過ごしその夜、再び抱き合う。そして、最後の朝はぎごちなさと不安の中で迎えた。

フランチェスカは「これはお遊びなの?」となじるが、彼は云う。
「何故僕は写真を撮るのか、その訳はここで君と出会うためだった。僕の今までの人生は君と出会うためだったのだ。僕と一緒に行こう」

悩み苦しんだ末に、荷物をまとめたフランチェスカだったが、彼女は言う。
「女なら結婚して子供を生もうという選択をするわ。そこから人生は始まり、同時に止まってしまうの。日常生活に追われて、子供たちがひとり立ちできるまで立ち止まって見守る。子供が巣立っていき、さて愈々自分の人生を歩もうとしても歩き方を忘れてしまってる。そういう女にこんな恋が訪れるなんて・・・」
「・・・・・」
「だから、一生大事にしたいの。ここを捨てたら、この愛は失われる。心の中の私たちを支えに生きていくわ」
家族を思うその顔を見て、キンケイドは去っていく。夫と子供たちが帰ると、元の日常が戻った。

数日後、夫と買い物に街に出た彼女は、降りしきる雨の中、立ち尽くすキンケイドを見た。車から出ようとドアのノブに手をかける彼女だが、どうしても動けない。そして、彼とはそれきりだった。


彼との想い出の場所に遺灰を撒いてもらい恋を成就させる女心

79年、夫リチャードが死去。彼の死後、フランチェスカはキンケイドに連絡をとろうとしたが・・・。やがて彼の弁護士が彼の死を報せ、遺品が届いた。

手記を読みおえたキャロリンとマイケルは、母の秘めた恋に打たれ、2人は母の遺灰を、あの橋の上から撒くのだった。

これは大人の愛、大人のラブストーリーである。見終わって愛の終焉を感じる。イーストウッドよりもメリル・ストリープの演技が素晴らしい。


1995年 アメリカ・カラー 監督 クリント・イーストウッド 出演 クリント・イーストウッド メリル・ストリープ アニー・コーリー ヴィクター・スレザック ジム・ヘイニー 
ニックネーム choko22 at 21:32| Comment(0) | TrackBack(0) | マ〜モ

2009年03月31日

激情と官能の嵐に翻弄された一途な愛!! 「夏の嵐」



「夏の嵐」

イタリアの巨匠、ルキノ・ヴィスコンティが、「第三の男」のアリダ・ヴァリらをキャストに迎えて贈るロマンス大作。

1866年、オーストリア軍占領下のヴェネツィアを舞台に、そこに住むとある夫人と、オーストリア将校との禁断の恋の行方を描いた作品である。


■ 狂おしいほど官能的な不倫 その始まりは・・・

1866年5月のある夜、水の都ヴェニスのフェニーチェ劇場ではオペラ「吟遊詩人」が上演されていた。

その時、一階席でオーストリヤ占領軍の若い将校フランツ・マラー(ファリー・グレンジャー)中尉と反占領軍運動の指導者の一人、ロベルト・ウッソーニ侯爵の間に口論が起こる。挙句ロベルトはフランツに決闘を挑む。

丁度、夫とともに観劇中であったリヴィア・セルピエーリ(アリダ・ヴァリ)伯爵夫人は従兄ロベルトを助けようとしてフランツに近づく。しかし、その夜、ロベルトはオーストリヤ軍に逮捕され、一年の流刑に処せられてしまう。

リヴィアが再びフランツに会った時には、彼女はこの青年将校の魅力の虜になってしまっていた。


■ 官能の渦の中で敵国の将校を愛してしまう伯爵夫人の心は

リヴィアは五十男のセルピエーリ伯爵と愛情もなく結婚したが、それ迄は貞淑な妻だった。だがフランツを知ってからは盲目的な激しい情熱にとらわれ遂に彼に身も心も捧げてしまったのである。

一方オーストリヤとの間には再び戦争が起き、セルピエーリ伯はヴェニスを離れてアルデーノの別荘に移ることになる。

リヴィアは越境してヴェニスの同志に軍資金を渡しに来たロベルトに会う。ロベルトは彼女に金を渡しアルデーノの別荘で同志に渡してくれと頼んだ。

ある夜別荘の彼女のもとにフランツが現われた。
「もう終わったことなのよ。お願い、帰って」
というリヴィアだったが、
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  いのちがけで逢いに来た。もう4日も寝ていない。逢いたかった

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こう畳みかけるフランツを拒めるわけはなかった。

彼女は再び彼の前に身を投げ出した。フランツは軍籍を抜けるのに大金がいることを話し戦争によって彼を失うことを怖れた彼女は預った金を彼に渡してしまうのだ。祖国まで裏切ったのである。


■ 女のあくなき恋心は自分をも破滅させるものなのか???

やがて伊軍は敗れロベルトも重傷を負った。敗戦を聞いたリヴィアは敵軍占領下のヴェロナにフランツからの手紙を握り締めて馬車を走らせる。

だが新しい愛人とリヴィアを迎えたフランツは冷たく言うのだ。
「俺は金が欲しかっただけだ」
と。そして、一時の浮気心で彼女を相手にしたにすぎないとも。その揚句ロベルトを軍に逮捕させたのは自分だと叫ぶ。

絶望したリヴィアは占領軍司令部に行くとフランツが自分から取り上げた金で軍医を買収し、病気と偽り除隊に成功したことを書いた手紙を司令官に差し出す。フランツは即刻逮捕され、銃殺されたのである。卑劣な”密告”、それは彼女の愛への訣別だった。

夏の嵐とはかくも非情で破壊的なものであろうか。

1954年 イタリア・カラー 監督 ルキノ・ヴィスコンティ 出演 アリダ・ヴァリ ファーリー・グレンジャー マッシモ・ジロッティ ハインツ・モーグ リナ・モレリ 
ニックネーム choko22 at 21:04| Comment(0) | TrackBack(0) | ナ〜ノ

2009年02月23日

愛はすべてを超越する・・・「ある愛の詩」



女は言った。
「あなたはあたしの貧しさに惹かれている。人は反対のものに惹かれるのよ。あたしもあなたの名前や家柄に惹かれている」

旧家の大富豪の息子と貧しいイタリア移民の娘。全く違う環境で育った二人が愛し合うようになる。

身分の違いを乗り越えてようやく結婚したジェニー(アリ・マックグロー)とオリバー(ライアン・オニール)。

愛の結晶が欲しい二人は病院を訪れる。だが、そこで信じられない診断結果を聞かされた。ジェニーが白血病、それも長くはない、と・・・。事実を知った二人は長い間椅子に座って抱き合っていた。
「しっかりして、ホッケー野郎でしょう?」
励ますのはジェニーの方だった。

雪の中を若い二人が行く。楽しいデート中、と見る者はきっとそう思っただろう。無邪気に雪の中を転げ廻り、笑い、キスをし、カフェテラスで休み、語り合う二人。
外見からは幸せ一杯の二人なのに・・・。

時間がたつのが惜しい。もっともっと色々なところへ行ってみたい。
「車を呼んで」
と、ジェニー。
「そうだ、次はどこへ行こう」
そう尋ねるオリバーにジェニーは優しく微笑みながら答えるのだ。
「病院へ」
と。

二人が初めて結ばれた日、ジェニーは言った。
「この世界以上に素晴らしいところはないわ。あたしが好きなものはモーツァルトとバッハと、あなた・・・」

(そのとおりだ、ジェニー。君がいるから世界はすばらしかった。それなのに君はこの世界から去って行く)

でも、オリバーは後悔しない。ジェニーが言ったように、「愛とは決して後悔しないこと」だから。

私がもし魔法使いなら、二人のために時間を止めてあげたい、ホントにそう思った。
永久に残る”名画”である。

ライアン・オニールは300人の若手俳優の中から選ばれ、この作品でスターの座を獲得した。だが、今やその栄光も地に落ちたのは残念だ。



1970年 アメリカ・カラー 監督 エリック・シーガル 出演 ライアン・オニール ア
リ・マックグロー
ニックネーム choko22 at 11:03| Comment(0) | TrackBack(0) | ア〜オ

2008年11月24日

絢爛豪華なGEISHA物語!? 「SAYURI」



"芸者”を真っ向から取り上げたハリウッド映画は今まであっただろうか。出てくる俳優が日本人でありながら日本人でなく全員英語を喋る。

初めのうちあった違和感はいつのまにか消え去っていたのも面白い。配役も国際的だが、願わくば全員日本人俳優で演じてほしかった。

スピルバーグが製作を担当しているだけにさすがによく出来た作品だった。絢爛豪華な花街の世界を舞台に薄幸の少女が花街一番の芸者に成長していく過程を克明に描き出していた。

貧しい漁村に生まれた少女・千代(大後寿々花)は、9歳の時に、おかあさん(桃井かおり)と呼ばれる女将が仕切る花街の置屋に売られた。苛酷すぎる日々の中、千代は会長(渡辺謙)と呼ばれる紳士に優しく声をかけられ、それを運命の出会いと信じた千代は、会長にもう一度会うために、芸者になりたいと願うようになる。

そして千代が15歳の時、芸者の中の芸者と称えられる豆葉(ミシェル・ヨー)が、彼女を芸者として育てたいと申し出る。千代は芸者さゆり(チャン・ツーイー)として修行に耐えて花と咲き、数多くの男たちを虜にしていった。

やがてさゆりは、客として現われた会長と再会する。だが会長のビジネス・パートナーである親友の延(役所広司)がさゆりに魅了され、熱い思いを彼女に抱いてしまう。

一方、同じ置屋の初桃(コン・リー)やおカボ(工藤夕貴)が、さゆりに敵対心を燃やして数々の罠を仕掛けてくる。そんな中で初桃は自滅した。

そして戦争がやってきた。芸者を引退し、田舎で疎開することになったさゆり。だが終戦後、延が彼女を迎えにきて、さゆりを豆葉と共に芸者に復活させる。

延はさゆりが融資のためと言え、アメリカ人に抱かれたことを許せず、彼女への思いを絶つ。さゆりの内面の声が語り始める。
(心の死はゆっくりと訪れます。希望を木の葉のように散らし、ある日、枯れ尽きます。希望は消え無だけが残るのです。化粧をするのは、素顔を人から隠すため、目には深い悲しみの水・・・。芸者は何も求めることなく、何も感じてはいけないのです。浮き草のような世界で芸に生きる女、踊ってーー歌ってーー客を楽しませる。客に仕えて、あとは影に包まれーー秘密の世界に消えていくのです・・・)

やがて、さゆりのもとへ会長が迎えにきた。二人はお互いに抱いていた長年の恋心を、初めて打ち明け抱き合うのだった。

これは一途な想いを貫いた女の半生ものである。ファンタジック・メロドラマの部類に属する作品であろうか。

2005年 アメリカ・カラー 監督 ロブ・マーシャル 出演 チャン・ツィイー/渡辺謙/ミシェル・ヨー/役所広司/桃井かおり/工藤夕貴/コン・リー/大後寿々花
ニックネーム choko22 at 15:37| Comment(0) | TrackBack(0) | サ〜ソ

2008年11月21日

シングルで孤独な彼女が思いがけず拾った恋とは!! 「あなたが寝てる間に・・・」



シカゴの地下鉄で改札嬢をしているルーシー(サンドラ・ブロック)は身寄りのない天蓋孤独のシングル・ウーマン。でも彼女には毎朝決まって改札を通り抜けていく憧れの男性がいた。奇跡はクリスマスの朝やってきた。

線路に落ちて気絶した彼をルーシーが間一髪救出。 昏睡状態で病院のベッドに横たわる彼の名はエリート弁護士のピーター。

面会謝絶の病室の前でルーシーが呟いた「私たち、結婚するのに」という独り言がもとで、彼女はピーター(ピーター・ギャラガー)の婚約者と誤解されてしまう。

病院に駆けつけてきたピーターの家族、心臓が悪い祖母エルシー(グリニス・ジョンズ)、家具商の父オックス(ピーター・ボイル)、母ミッジ(ミコール・メルキュリオ)、妹メアリー(モニカ・キーナ)ら優しい彼の家族にすっかり気に入られ、今さら婚約者と言ったのはウソとは云えなくなってしまう。

彼女はだますつもりはなかったが、忘れていた家族の温もりに触れて幸福な気持ちになる。ピーターの弟ジャック(ビル・プルマン)は初め彼女を疑うが、いつしかそれは恋心に変わり、ルーシーもまた彼を好きになっていた。

突然、ピーターが意識を取り戻した。嘘がバレるのは時間の問題と思いきや、ルーシーのことを知らないという彼を、周囲の者は記憶喪失と勘違い。ただ一人、ルーシーの秘密を知るピーターの名付け親ソウル(ジャック・ウォーデン)は、「虚栄心を捨てて本物を見つけろ」と諭すのだ。

本当に好きなのはジャックと気づいたルーシーは、ピーターとの結婚式の寸前、全てを告白する。
「命を救ったのは本当だったけど、フィアンセと言ったのはウソだと言い出せなくて、本当に助けてもらったのは私だったの・・・」と。

唖然となるジャックだったが・・・。

「ウソから出た真(まこと)」という言葉があるが、この映画はその通りの作品と言える。よく出来たお洒落な心温まるラブ・コメディと言えるだろう。こんな女性なら恋してみたいと思う人も多いのではないだろうか。

1995年 アメリカ・カラー 監督 ジョン・タートルトーブ 出演 サンドラ・ブロック ビル・プルマン ピーター・ギャラガー
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2008年11月18日

白昼夢で英雄になる男・・・「虹を掴む男」



これは白昼夢を見る男の物語。中学生時代にこれを見て腹を抱えて笑った記憶がある。さすがに今回は余り笑えなかった。年のせいかもしれない。でも、ヴァージニア・メイヨの美貌ぶりにはクラクラしたのだが・・・。

ピアース出版会社の校正係を勤めるウォルター・ミティ(ダニー・ケイ)は小心翼々たる平凡なサラリーマンだが、人なみはずれた白昼夢の持ち主であった。

出勤の途中、石鹸の広告を見ている中に暴風雨の中を航海する帆船の船長として活躍する夢を描いて交通事故を起こしそうになったり、編集会議で社長が病院ロマンス雑誌の企画を発表すると、天下の名手として至難な手術をなしとげる自分を夢見て、社長に叱言を喰うというような毎日をおくっていた。

(ポケタ、ポケタ、ポケタ・・・)

突然、聞こえてくる音。これが白昼夢の前奏曲だ。

こうして時と所をえらばず、彼を襲う白昼夢はウォルターにとって逃避の世界であったが、母親からも許婚のガートルードからも頗る心細い男に見られていた。

ある日、彼は通勤の汽車の中で突然美しい女性からキッスされて呆然としてしまう。その女性はロザリン(ヴァージニア・メイヨ)といい、彼女の叔父はオランダの王位博物館長だった。

叔父はナチの手に入らぬよう疎開しておいた宝石の隠し場所を記した手帳を持った男との連絡を彼女に命じたが、宝石を狙う悪漢の一味に後をつけられたロザリンは彼等を撒くためにウォルターを利用したことを告白した。

日頃白昼夢のなかで英雄的活躍をしていたウォルターは、彼女のために力を貸そうと大いに努めるが、何時の間にか自分のポケットに問題の手帳がはいっており、そのため正体不明の悪漢団の一味からつきまとわれる。こうして、てんやわんやの大騒ぎが繰り広げられる。

こうしてウオルターは夢の中の美女ロザリンを妻に射止めるのだった。

白昼夢の中の人物像は中々面白い。彼の音楽の先生の物まねぶりは絶品である。口で演奏してみせる交響楽は見事としか言いようがない。まさにダニー・ケイの独断場であろう。

また、ヴァージニア・メイヨのきれいなこと、総天然色女優の面目躍如である。白昼夢に現れる美女が常に彼女ではミティならずとも魅力の虜になってしまうだろう。

1947年 アメリカ・カラー 監督 ノーマン・Z・マクロード 出演者 ダニー
・ケイ ヴァージニア・メイヨ ボリス・カーロフ 
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2008年11月12日

木の葉のように激流に弄ばれる三人の運命は!? 「帰らざる河」



マリリン・モンローが出演した唯一の西部劇。西部劇に出てくる保安官もカウボーイもなく、定番の決闘シーンもない。寡黙な開拓農民の男マット、女はしがない酒場の歌姫ケイ、そして男の一人息子の少年マークには母親がいない。

その三人が筏で激流を下ってゆくシーンがこの映画の見せ場である。激流に木の葉のように翻弄される筏の動き、背景の広大なロッキー山脈、シネスコの大画面が迫力満点に写し出す。

歌姫モンローはブロンドの髪を輝かせ、ものうげで哀愁に満ちた歌声で、観客を”帰らざる河”へと誘うのだ。
「耳をすませば聞こえるわ。悲しい水音が、人はそれを”帰らざる河”と呼ぶ。時には穏やかに、時には猛り立つ。恋は”帰らざる河”の旅人・・・」



1875年、ゴールドラッシュに沸くロッキー山脈の麓で、マット(ロバート・ミッチャム)は亡き妻の忘れ形見である9歳の息子を育てながら、開拓にはげんでいた。そこへ流れ着いたのが賭博師ハリー(ロリー・カルホーン)と酒場の歌姫ケイ(マリリン・モンロー)。ギター片手に酒場で「一枚の銀貨」を歌うケイ。この歌が実にいい。

ハリーは賭博で巻き上げた金鉱の登記をする町に行くため、マットの銃と馬を強奪して逃げ出す。馬と銃がなければ生きていけなくなるため、三人は筏で危険な河下りを始める。襲い掛かるインディアンと野獣・・・。

強い憎しみと愛があれば 人間はなんでも出来るのね
河下りの途中、ケイがマットに言う言葉だ。

死線を突破した三人は町に着き、ハリーと対決、銃を持たないマットを撃とうとするハリー。父親の危機に息子が必死でハリーを撃つ。マットはケイと息子を馬車に乗せて家路を辿るのだった。地面に落ちているケイのハイヒールが印象的だ。

1954年 アメリカ・カラー 監督 オットー・プレミンジャー 出演 ロバート
・ミッチャム/マリリン・モンロー/ロリー・カルホーン
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2008年11月10日

しみじみとした別れのシーンが胸をうつ・・・ 「逢びき」



これは今でもありそうな中年の不倫物語である。若い方に、こういう名作が或ることを知っていてほしいと思い、今日は本作を選んでみた。

ローラ(シリア・ジョンスン)は裕福だがごく平凡で貞淑な人妻。勤勉なサラリーマンの夫や子供と、ごく普通の毎日を送っていた。

彼女は毎週木曜日に、子供をお手伝いさんに預け、汽車に乗って近くの町ミルフォードに買い物に行っていた。

ある日、いつものように週一回の買い物に出かけた帰りに、ローラは駅のビュッフェで親切な医師のアレック(トレバー・ハワード)と出会う。

停車場で目に入ったススをとって貰ったのがきっかけだった。こうして知り合った二人は、毎週ミルフォードの町で楽しいひとときを過ごすようになる。ためらい、引き返そうとしながらも愛はいや増すばかりだ。

「知り合って4週間よ、話したのは先々週が初めて」
「あれから今日まで随分と長かったはずだ。違う?」
「ええ」
「もう逢うまいと何度思った?」
「1日に何度も」
「私もだ。愛しているよ。君のその目、君の微笑み、冗談に笑いころげる顔も・・・」

そしてもう一度だけ会って別れようという日に停車場でアレックが言う「許してくれ」と言うセリフには、万感の想いが込められており、見る者の胸をうつ。

「許してほしい」
「何を?」
「何もかも・・・。君と出会ったことも、愛してしまったことも、つらい思いをさせたことも・・・」
「私も、許して」

決してドラマチックではない別れのシーンだが、胸に響くものがある。名作と言われるゆえんだろうか。後の「旅情」で描かれたシーンを思い出させてくれる。

1945年 英・モノクロ 監督 デビッド・リーン 出演 シリア・ジョンスン/トレバー・ハワード/スタンリー・ホロウェイ/ジョイス・ケアリー/アルフィー・バス
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